まき網事業部
事業部 大井川工場製造課 大井川工場冷蔵課 惣右衛門工場はじめに
まき網事業部では、海外まき網船といわれる4隻(第5わかば丸・第6わかば丸・第7わかば丸、第11わかば丸)の大中型まき網漁船を運航しています。主たる漁場は中西部太平洋海域であり、パプアニューギニア・ミクロネシア・キリバス・ナウル・ソロモン・マーシャル・パラオ等の経済水域及び周辺の公海上です。これらの海域において周年、カツオ・キハダマグロを漁獲し、焼津港(静岡)・枕崎港、山川港(鹿児島)において水揚げしています。尚、第5わかば丸・第6わかば丸は夏季(6月中旬~8月末)には三陸沖(200海里外側海域)において通称トロカツオと呼ばれる、非常に脂の乗ったカツオを漁獲し、主に石巻港において水揚げしています。4隻の年間水揚げ量は約30,000トンに達します。
船の紹介
English site
まき網事業部の運行する船をご紹介します。
第5わかば丸 | 第6わかば丸 |
第7わかば丸 | 第11わかば丸 |
船名 Name of vessel | トン数 Tonnage | 国際トン数 International Tonnage | 進水 Year launch |
第5わかば丸 WAKABA MARU No.5 | 383 | 1,183 | 2003 |
第6わかば丸 WAKABA MARU No.6 | 349 | 1,096 | 1992 |
第7わかば丸 WAKABA MARU No.7 | 760 | 1,788 | 2009 |
第11わかば丸 WAKABA MARU No.11 | 760 | 1,788 | 2022 |
カツオを求めて
ご存知の方も多いかと思いますが、カツオは群れを形成する魚です。その群れを操業方法から大別するならば2通りあります。 1つはハネ群れと呼ばれるものです。これはカツオが漁場において、表層付近を遊泳している餌生物(主にイワシなどの小魚)を索餌するため、表層付近まで勢いよく浮上し海面が白波立ち、カツオがはねる様子を言います。操業中は双眼鏡によって、或いは群れの上を旋回する鳥をレーダー或いは目視によってこれを発見し、船をその方向に向け、投網します。 残るひとつの方法は流れ物操業と呼ばれる方法です。洋上では意外と多くの浮遊物を見かけます。特に日没から日出においてカツオ、マグロ類はこの様な浮遊物の周辺に集まる習性を有している為、浮遊物の周囲を魚群探知機やソナーなど、水中探査機器を用いて魚群の形成状態を確認します。 |
どの様に魚を獲るの?(漁法)
使用する網の長さは1,800mのまき網です。網の両端はそれぞれ本船と付属船(通称1号艇と呼ばれるボート)に結策してあり、両船が魚群を取り囲む様に魚群の周囲を高速で旋回します。 その後、1号艇に結策してあった網の片端を本船に戻し、水中下にある網下部のワイヤーをウィンチで高速で巻き込み網を絞り込みます。こうして袋状の網が形成されます。 この一連の作業中に魚群が逃げることがある為、魚群の遊泳方向・深度・潮の方向・速度などを考慮に入れて投網します。そして徐々に網を巻き上げ、海中に広がった網を狭めていきます。ある程度まで巻き上げたところで、タモ網で魚をすくい魚艙へ投入します。 |
獲った魚は?全て直ぐに凍結されます。その方法はブライン凍結といわれ、塩分濃度の高い塩水(ブライン液と言う)を用いた方法です。このブライン液は常に冷やされた状態で魚艙に入れてあり、漁獲があった時にこのブライン液の入っている魚艙へ魚を投入し、魚の中心まで完全に冷やし込みます。その後ブライン液を抜き今度は保冷庫にて-50℃以下で保冷します。 |